入れ歯と認知症の関係
こんにちは。歯科助手・管理栄養士の長谷川です。
認知症とかむことが密接な関係があることを知っていますか?
自分の歯が残っている人に比べて、残っている歯が少ない人は認知症のリスクが高くなります。
しっかりとかむことができないと、
脳の記憶や学習能力に関係する部分が縮小しているというデータもあります。
そこで今回はかむための入れ歯と認知症についてご紹介します。
しっかりとかむことは脳の刺激を与え、認知症にリスクを減らすことが分かってきました。
ほとんど歯を失ってそのままにしている人は、
歯が20本ある人に比べて認知症のリスクが約2倍高いデータが出ています。
また、自分の歯だけでなく、入れ歯を使用して、しっかりかみ合わせを維持している人も、
脳への刺激があり、認知症のリスクが減ることが分かってきました。
かむことは脳への刺激があり、認知症になった人でも症状が改善されたというケースも
報告されています。
そのため、歯を失ったからとそのまま放置せず、
入れ歯を使用してかみ合わせを維持することは大切なのです。
【入れ歯をしないと考えられる影響】
・しっかりとかむことができないので、食べられるものが制限され、
栄養状態が悪くなる場合があります。
・残っている歯がある場合には、かみ合わせがないと歯が伸びてしまい、
新しい入れ歯を作る時に残っている歯を削らなければいけない場合や
作製が難しくなる場合があります。
・かむことで身体のバランスを保っているのですが、かみ合わせがないので、
バランスが崩れてしまい、転んでしまうリスクが増えます。
認知症と深くかかわる口の健康
なかでも「よくかむ」ことには大きな注目が集まっています。
咀嚼とは、単に歯で『かむ』というだけのことではありません。
食べ物をかみ砕き、すりつぶし、だ液と混ぜ合わせてのみ込める状態までまとめる動作です。
歯、舌、あごなどが無意識のうちに協調し合うからこそできる複雑な動きなのです。
しっかりかむために必要なものといえば、歯です。
「8020運動」の成果で80歳でも歯が20本以上残っている人は半数を超えましたが、
歯が残っているからといって、よくかめるとは限らないのです。
多くの人は歯周病が進んでも歯を残したがる傾向がありますが、
グラグラした歯では十分な咀嚼はできません。
総入れ歯にしている人のほうが、かむ力が強い場合もあります。
歯の数より大切なのは、本当に噛めているかどうかなのです。
また、抜歯後に義歯を入れることを考えても、
歯周病で抜かざるを得なくなった歯を残しておくのはおすすめできません。
抜くべき歯を残していると、その周囲の歯槽骨(歯を支えるあごの骨)がやせてしまうので、
入れ歯やインプラントの装着が難しくなる可能性もあるります。
もしそのような症状がある場合は、歯医者で相談されることをおすすめします。