高血圧と歯の関係
こんにちは。歯科助手・管理栄養士の長谷川です。
歯周病と全身の病気とが関連しているということはご存知の方も多いと思います。
今回は生活習慣病の一つである高血圧を取り上げて歯周病との関係をお話したいと思います。
高血圧は血圧の高い状態が続く病気です。
血圧とは、血管の中を血液が流れる際に、血管の壁にかかる圧力のことです。
健康な人の血圧は、収縮期血圧(心臓が縮んで血液を送り出したときの血圧。最大血圧)が140mmHg未満、拡張期血圧(心臓が拡張したときの血圧。最小血圧)が90mmHg未満です。
このいずれかが上回っている状態が、高血圧です。
血圧が高くても通常、特徴のある症状は現れません。症状が現れないのにもかかわらず、からだの中では知らず知らずのうちに、高血圧の悪影響がじわりじわりと広がっていきます。
高血圧の影響は全身に及びます。
血管がたくさんある所ほどその影響を受けやすく、具体的には、脳や腎臓、目の網膜などです。
それに、血液を送り出す際に負担がかかる心臓も、高血圧の合併症が現れやすい臓器です。
それぞれ、脳梗塞、腎不全、眼底出血、心不全などを引き起こします。
高血圧で血圧を下げる薬を飲んでいる方では歯肉が腫れたという症状が見られる場合があります。
これは高血圧の薬(カルシウム拮抗薬)の副作用の一つに「歯肉増殖」があるためです。
歯肉がモコモコと腫れてしまう症状ですが、プラークコントロール不足により、
プラーク(細菌のかたまり、食べかすなどによる汚れ)が誘因になり、増殖した歯肉のポケットに
細菌の住処になってしまい歯石がたまり、歯周病を進行させてしまいます。
定期的にプラーク除去、歯石除去等歯周処置を行えばかなり抑制できます。
歯医者での歯科衛生士による定期的な歯のおそうじはとても有効なものです。
また、降圧剤の本来の目的は一時的に急激に上がったものを下げるための服用ですので、
継続的な服用を避け食生活の見直してはいかがでしょうか。
食生活でのポイントは、
・みそ汁は1日1回まで
汁物は、具だくさんにすると具の素材の味を活かすうえに、汁自体の量を減らせます
・麺類は汁を残す
汁を残すことで塩分量が半分に抑えられます
・加工食品は控える
ウインナー、ハム、ベーコン、かまぼこ、ちくわなどの加工食品は使用頻度を減らしましょう
・かけて食べるよりつけて食べる
しょうゆなどはかけて食べるより、つけて食べる方が少ない塩分量で満足できます
・味付けを工夫する
昆布、かつお節、きのこ類、干しえび、乳製品などうまみの濃い食品を使ったり、
香辛料やハーブ、香味野菜を使ったり、だしをきかせたり酢を加えることで、
塩や塩分を多く含んだ食材の使用量を減らすことが可能です